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簡単に概要
Hardstyleとは[Hardcore Techno]([Gabba]や[Old school]などのグループジャンル)や[Hardtrance]の影響を強く受けたジャンルです。
ジャンルとしては[Hardcore Techno]としての括りであり、その派生ジャンルとして知られています。
bpmは主に150bpmが多く、広い範囲で見ると135~165bpmで作られています。
そしてHardstyleの特徴は何と言っても力強いキックやキックとベースを混合させた力強いハードスタイルキックなどが特徴的です。このHardstyleを流せば大体、フロアは熱狂と共に湿気が立ち込める事になるでしょう。
そんなHardsyleにも多くの派生ジャンルが存在します。
その派生ジャンルは主に
[Nu-style]
[Rawstyle]
[Rawphoric]
[Dubstyle]
[Euphoric hardstyle]
[Experimental hardstyle]
などが存在します。
私がここ10年程で感じた大まかに流行の流れとしては[Nu-style]→[Rawstyle][Euphoric hardstyle]→[Rawphoric]と言った流れでしょうか?
また近年ではジャンルの融合がトレンドであると感じます。
[Psytrance]や[Frenchcore]などの融合化が目立つような気もしますし他のジャンルを取り入れ独自の要素を生み出すのはHardstyleだけでは無いのですが、Hardstyleに限り顕著に表れて分かりやすいと感じております。
これら派生ジャンルの詳細は少し長くなり、簡単な概要では無くなりそうな為、派生ジャンルの項目に書くことになると思います。
歴史と現在
2000年代から存在するEDMの中で、歴史があり、年代と共に大きく変化、融合してきたジャンルです。
初期のハードスタイルでは[Hardtrance]と[Old school][Hardcore]の影響を受けた[Hard house]や[Rave]として考えられてきました。
2001年には現在でも[Harddance]系で有名なQ danceがHardstyleをブランドとして発信し、多くの人々に認知されるようになりました。現在では初期の[Hardstyle]を[Early Hardstyle]と呼ばれている様です。
黎明期の主なアーティストではHardstyleに重要な役割を果たしたDana van DrevenがHardstyleをリリースした後、[Hardcore]に携わっていた時代の仲間であるSteve Sweet、DJ Luna、DJ Isaak、The Prophetなどが続々と支援し、Hardstyleを盛り上げることになりました。
これら黎明期のアーティストはHardstyleの創始者として知られています。
また、Hardstyleと共に[Junpstyle]というジャンルも登場し[Junpstyle]特有のダンスなどがYoutubeなどで多く見ることが出来き、[Junpstyle]はダンスに用いられるジャンルでもあると考えています。
2005年から2011年には[Nu-style]というメロディックなHardstyleのジャンルが登場し、2010年にはメロディーよりもハードスタイルキックをより強調させた[Rawstyle]、2011年以降ではメロディックでヴォーカルが多用されるHardstyleの主流でもあった[Euphoric hardstyle]などが派生ジャンルとして誕生しました。
個人的に2010年からはHardstyleの激動な時代であると考えており、サウンドデザインなども全体的に変わりましたが特に変わったとされるのが曲の全体的な流れや、ハードスタイルキックだと考えています。
2016年に入ると[Experimental hardstyle]と言ったジャンルが誕生します。
私は存じ上げませんでしたが、調べた限り様々な要素を混ぜた融合的なジャンルの総称だと考えました。
最近は確かにそういった楽曲がありますが、いつの間にか分類されておりました。
一つのジャンルに囚われないHardstyleが多くリリースされている模様。
近年では[Rawphoric]、[Extra Raw]などRaw系が主流となっていると感じます。
しかし同時にSefaやDr.peacockなどで有名な[Euphoric Frenchcore]も流行してきていると考えています。
これは個人的な考えですが[Frenchcore]はHardstyleというよりも[Hardcore]寄りと感じる為、[Frenchcore]要素を取り込んだHardstyle、またはその逆の楽曲がリリースされているのも事実ですが、ここでは多く解説しておりません。
まだ製作段階ですが[Hardcore]のページにて解説する予定です。
プレイリストには含んでいると思いますのでここでも聴けると思います。
最近の[Hardstyle]は[Rawstyle][Rawphoric]に限らず、1つの曲に異なるハードスタイルキックや曲調の変化が多く、個人的にそういったスタイルはとても好みなのでもっと増えたら良いと考えています。
派生ジャンル
予想より長くなりましたのでボックスに収納しました。
- [Nu-style]
2005年~2011年頃にかけ[Nu-style]と呼ばれる新しいスタイルの[Hardstyle]が作られました。現在では[Classic Hardstyle]として知られているジャンルです。
サウンドの特徴は、ピッチを変えてメロディに合わせるキックやメロディックで長いブレイク、ヴォーカルサンプル、パーカッションの少なさが特徴的です。
主なアーティストは、Headhunterz、Wildstylz、Noisecontrollers、Brennan Heart、D-Block & S-te-fan、Showtec、などのHardstyleアーティストがここで台頭します。
- [Rawstyle]
2010年代初頭に[Rawstyle]が作られました。
サウンドの特徴としては、メロディーを抑え、より激しいサウンドに注力したジャンルです。
その激しさから度々批判を浴びたようですが、[Euphoric hardstyle]とは対照的なジャンルとして注目され現在でも人気を博しているジャンルです。
主なアーティストではRadical Redemption、Act of Rage、E-Forceなどが挙げられます。
他にも[Rawphoric]、や[Uptempo raw]などの派生ジャンルが存在します。
まだ[Rawphoric]が誕生していない頃に[Euphoric hardstyle]と[Rawstyle]を聴いてた私は[Euphoric hardstyle]と[Rawstyle]を融合させた曲を誰か作ってくれないかなと数年考えていた所[Rawphoric]が流行し始め、とても多幸感の様なものを得たのを覚えています。
- [Rawphoric]
[Rawphoric]は簡単に言ってしまえば、名の通り[Rawstyle]の激しいラウキックやサウンドと、[Euphoric Hardstyle]のリバースベースやメロディックさを融合させたジャンルです。
[Melodic raw]と呼ばれることもあります。
どうやら[Rawphoric]が現在のHardstyleのスタンダードとして君臨しておられる様子。
このジャンルで有名となった主なアーティストではD-Sturb、Warface、PhutureNoiseなどが挙げられます。
[Rawphoric]が現在のHradstyleのスタンダードなのでHardstyleとYoutubeなどで検索すれば普通に聴けると思います。
しかし[Rawphoric]または[Melodic Raw]の名はそれなりに広まっているものの、多くは[Rawstyle]として処理されることが多く感じます。
- [Dubstyle]
[Dubstyle]は[Dubstep]のベースラインとHardstyleを足したものです。
名の通り2ステップのリズムが使用されている楽曲もあり、主なアーティストではPavelow、RazrWirez、Bioweaponなどが挙げられます。
ただ流行に乗ったジャンルかと思ったのですが、他のジャンルを取り入れ新しいHardstyleを制作しようとする試みがこの時点で現れていたのかもしれません。
- [Euphoric hardstyle]
とてもメロディックで聴きやすく他のHradstyleと比較するとハードスタイルキックが少し弱めにデザインしてあるHardstyleです。
キックの後によく聞くと[Reverse bass]が組み込まれており現在のHardstyleの軸とも呼べるサウンドデザインとなっています。
主なアーティストでは[Nu-style]の主なアーティストに加え、Coone、Wasted Penguinz、Atmozfears、Da Tweekaz、Code Blackなどが挙げられます。
[Euphoric hardstyle]は私がHardstyleに夢中になったきっかけのジャンルでもあります。
数々の[Euphoric hardstyle]を聞いておりましたが、特にDa Tweekazの「Break The Spell」やAtmozfearsの「Restart」は私が学生の時に初めて聴いたとき、かなり衝撃を受けた曲であり、今でもHardstyleファンである所以です。
- [Experimental hardstyle]
Wikiなど参照すると[Psystyle]のようなそうでもないような事が書かれています。
当サイトでは融合的でどのジャンルにも分類されないものと解釈します。
実験的という意味を持つジャンルですが主に[Psytrance]とHardstyleを融合させた[Psystyle]やHardstyleに[Frenchcore]要素を取り入れたものなど多岐にわたると考えております。
主なアーティストではSub Zero Project、Code Blackなどが挙げられる模様。
影響されたジャンル
初期のハードスタイルでは主に[Hardtrance]、[Old school]、[Hardcore]の影響を受け、[Hardtrance]の難解なシンセや[Old school]、[Hardcore]のキック、ハードさと言えばよいのでしょうか。
聴いてみた感想となってしまいますが、[Gabba]っぽくもありますが全く新しいジャンルと言うより割と素直に総合的に融合したジャンルだと感じました。
以下プレイリストになります。
- [Hardtrance]
- [Old school]
- [Hardcore]
主なアーティスト
Headhunterzはオランダのアーティストで、もともと映像関係の音楽制作を取り組んでいたようですが18歳の頃に初めてHardstyleイベントであるQLIMAXを訪れ、そこでHardstyleアーティストとなるきっかけを持ちました。
2006年にはScantraxxのサブレーベルScantraxx Reloadedを立ち上げ多くの楽曲を制作。
2007年にはHardstyleを制作するきっかけとなったQLIMAXに出演しアンセムとしての「The Power Of The Mind」もリリースしました。
2008年にはWildstylzと初めてコラボを行い「Blame It On The Music」をリリースしヒットを納めます。
2013年には「Colors」をUltra Musicで公開し、大きな反響を得ることになりました。
しかしレーベルの影響なのかハウス系のサウンドを制作することになり自身のレーベルであるHARD With STYLEを手放し、一旦Hardstyleと別れを告げます。
この出来事はHardstyleファンからの批判が相次ぎましたが2016年のDefqon.1のサプライズでハードスタイルを演奏し2017年には「Destiny」をリリースしQ-dance Hardstyle Top100 (2017年)で1位を獲得し、Hardstyleアーティストとして再び活躍することになります。
その後Wildstylzと共にレーベルArt of Creationを立ち上げ、現在でもHardstyleを盛り上げるのに欠かせないアーティストとなっています。
- Blame It On The Music
Headhunterz, Wildstylez
- Colors
Headhunterz, Tatu
- Won’t Step Rocking
R3HAB, Headhuntez
- Destiny
Headhunterz
- Home
Headhunterz
Wildstylzはオランダのアーティストで、2004年からSeizureという名でRuben Hooyerと共に制作していました。
2007年後半ではHeadhunterzが立ち上げたScantraxx Reloadedでのソロで活動をすることとなりWildstylzとしてのHardstyleライフがスタートします。
2008年には多くの楽曲をレーベルでリリースし、ScantraxxでHeadhunterzとコラボしヒット曲である「Blame It On The Music」をリリースし、アルバムである「Headhunterz & Wildstylz: project one」を完成させました。
2009年にはHeadhunterz、Noicecontrollersとのコラボ曲である「Tonight」をリリースしQ dance Harde styles Top 1000では2位を獲得。
2010年にはレーベルDigtal:Ageを設立し、2011年には初めてのトラックを制作し数々のトラックをリリース。
2012年ではBrennan Heartと「Lose My Mind」をリリースし大きな反響があり、2013年には「Year of Summer」がゴールドレコードを獲得。これはHardstyleアーティストとして初となります。
2013年には「Lose Control Music」を設立。「Lies or Truth」はこのレーベルでリリースされることになり様々な曲をリリースした後、Vini Viciの「Great Spirit」のリミックスやHeadhunterzと共に設立したArt of Creationなどでも活躍してる模様。
- Tonight
Headhunterz, Wildstylez, Noisecontrollers
- Lose My Mind
Brennan Heart, Wildstylez
- Timeless
Wildstylez
- Year Of Summer
Wildstylez, Niels Geusebroek
- Shine A Light
ハードウェル, Wildstylez, KiFi
D-block & S-te-fan (DBSTF)は2005年に結成されたオランダのデュオアーティストです。
2006年にリリースした「Keep it Coming」は有名なHardstyleアーティスト達に演奏され、大きな反響を得ることになり、Defqon.1、Qlimax、Q-bassなどの大きなイベントに出演することになります。
2009年にリリースしたアルバム「Music Made Addictz」と2011年初期にリリースされた「Rockin’Ur Mind」で2011年にDJ Mag Top 100の40位にランクインしました。
2015年にはBig RoomアーティストのBlasterjaxxと「Beautiful World」をリリース。
これは新しいプロジェクトであるDBSTFとしてのデビューシングルになります。
2016年には再びBlasterjaxxと「Parnassias」をリリース。
その後W&WやDash Berlinなどのアーティストと関わった後、2017年にDannicと「Noise」をリリースしBeatportにランキングインしました。
2017年6月にはHardstyleアーティストとして再び活動することになり「Angels & demons」をリリース。ここからGhoststoriesを結成します。
その後、2019年にはSub Zero Projectとの「Darkest Hour (The Clock)」をリリースし大きな反響を得ました。2020年にはDJ Isaacとの「Harder State Of Mind」やD-Sturbとの「Feel it!」リリースし、どちらの曲もストリーミングで数千万回再生されている大ヒット曲となります。
- Keep It Commin(feat. MC Villain)
D-Block & S-te-Fan
- Rockin Ur Mind
D-Block & S-te-Fan
- Beautiful World
Blasterjaxx, DBSTF, Ryder, Ella Isaacson
- Angel & Demons
D-Block & S-te-Fan
- Darkest Hour(The Clock)
D-Block & S-te-Fan, Sub Zero Project
Da Tweekazはノルウェー出身のデュオアーティストです。
二人はオスロで出会い、2007年にDa Tweekazを結成します。
2008年には、いくつかのデモを送った後イタリアのレーベルDJ’s United Recordsと契約。そこで「Tha Past」や「Da Bomba」をリリースします。
2009年では初めてフェスティバルであるHardstyle DNAで演奏することになります。
2012年はとても多忙な日々だった様でいくつかのレーベルで曲をリリースしたりライブで演奏などしており、この年にはDJ Mag Top100にランキングインしており、2014年には66位を獲得しています。2017年にはSub Zero ProjectやCode Black、Cooneとコラボしたり、数々のヒット曲をリリース。
同年、Tweekacoreという名義での[Happy Hardcore]ライフが始まり、2018年に「Clash & Burn」「Shady People」をDarren Stylesと共にDirty Workz内で設立したElectric Foxでリリース。
現在でも多くの新しい曲やリミックス、コラボ曲を制作しています。
- The Past
Da Tweekaz
- DNA
Da tweekaz
- Break The Spell
Da tweekaz, Oscar
- Jägermeister
Da tweekaz
- Crash & Burn
Tweekacore, Darren Styles, Giin
Flontlinerはオランダ出身のアーティストで2005年からAbjectとして活動しており、2006年にHeadhunterzとコラボし、「Scantraxx Rootz」、「End of My Exitence 」をリリース。
2008年から2012年までレーベルScantraxxに所属しており、様々なHardstyleフェスティバルのアンセムを提供していました。
Reverzeの「Call of The Visionary」Q-bassの「Symbols」などがあります。
2012年には「I’m The Melodiman」「Halos」などを制作し、2013年にはDefqon.1でのアンセム「Weekend Warriors」をリリースし一連の流れを創り上げ、反響がありました。
個人的には「Weekend Warriors」がこれまでとは違うアンセムで衝撃的でした。
2015年には大きな反響を得た「Loud」、2016年には「WKND」をリリースしますが、2017年にQ-danceイベントには参加しないと述べ、FlontlinerとQ-danceの間で論争があったと考えられます。一体どうしたんですかね?
2019年のDefqon.1には出演している為、2019年には和解できたのかもしれません。
同年2019年では「200 BPM」という一風変わった曲をリリースしています。
- [Scantraxx Rootz]
Headhunterz, Abject
- [Symbols]
Flontliner
- [Halos]
Flontliner, John Harris
- [Loud]
Flontliner, John Harris
- 200BPM
Flontliner
Sub zero projectは2014年に結成したオランダの出身のデュオアーティストです。
2017年にヒット曲である「The Project」をリリース。[Psystyle]とも言われているサイキックスタイルのキックを使用されているのが特徴です。
2018年には最年少でQlimaxに出演しアンセム「The Game Changer」をリリース。同年、帰還を果たしたHeadhunterzとのコラボ曲である「Our Church」でとても大きな反響を得ました。
2019年にはDJ Mag Top100の99位にランキングインし同年デビューアルバムである「Contagion」をリリース。このアルバムは3ヵ月の期間にSpotifyで1000万回再生されました。
2020年には「Rave Into Space」をリリース。
2021年には「HALO」「Trip To Mars」、2022年ではヒットアルバムである「Renaissance Of Rave」をリリースしています。
個人的に、彼らがHardstyleそのものの流れを変えたと言ってもいいぐらい大きな役割を果たしており、今もHardstyleに新しい風を吹き込んでくれています。
- The Project
Sub Zero Project
- The Game Changer
Sub zero Project
- Our Church
Headhunterz, Sub Zero Project
- Rave Into Space
Sub Zero Project
- HALO
Sub Zero Project
ストリーミング
ここでは現在のHardstyleの定番を上げます。
派生ジャンル問わず様々なジャンルがピックアップされています。
- Spotify
Spotifyによって選曲されたプレイリストです。
流行りのものから注目され始めた曲まで様々です。
- Be yourself Music
現在のHardstyle Top40です。
恐らく個人的なランク付けのプレイリストですがQ-danceが発表しているTop40と似つかわしいので信憑性はあります。
大体分かる音楽(動画)
大体分かる音楽(動画)です。
始めの動画は2013年頃のHardstyleらしきサウンド
最後の動画が最近(2019年頃)のHradstyleに近いサウンドとなっています。
主なレーベル
筆者のおすすめ
私のおすすめです。
最近のHardstyle(総合)をリストアップしました。
曲順はぐちゃぐちゃです。
まとめ
Hardstyleはジャンルとして幅が広くなっている為、簡単に説明しようとしても長ったらしい説明となってしまうので少し苦労しました。
本当は主なアーティストをもう少し書きたかったのですが、切りが見つけられず書けませんでした。随時増やしていこうと思います。
新しいスタイルを作り上げる若手も多く、これからもっと幅広くなっていくと思われます。
Hardstyleは一昔前ではニッチなジャンルではあったものの近年ではHardstyleを流す著名なアーティストが存在してきており、EDMの中ではポピュラーとなりつつあるジャンルと言えます。
とは言えハウス系やベース系のEDMと比べるとサウンドが激しすぎて地上波などで流されるようなジャンルではありませんが音楽に激しさを求めているならばHardstyleはうってつけと断言できます。
因みに筆者はHardstyleファンです。
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