簡単に概要
Retrowave、Retrofuture、cyberpunkなどともいわれ、80年代が描いた未来を映し出すこのジャンルは、主に16Bitの音源、80年代のポップカルチャーなどに使用されたサウンドを主軸としたジャンルです。
2014年または、2015年くらいに大流行した印象が強いですが、現在でも根強い人気を誇っています。
アーティストの多くは80年代のカルチャーを意識した雰囲気を創り、ジャケットなども、マイアミやロサンゼルスなどを彷彿とさせるHOTで都会的なものや、ヤシの木などが描かれているもの、80年代の車やパープルやバイオレット系カラーのライトアップ、ブラウン管、80年代のアニメ調などといったものがジャケットやYoutubeのサムネイルに多く描かれています。
因みに日本の昭和後期のアイドルポップカルチャーなどを[Citypop]と言われ、当時を知る人から、外国の方、老若男女問わずファンが多く存在しています。
Plastic Loveで有名な竹内まりやもYoutubeの英語版が1000万回再生されており、日本だけでなく海外でも人気が高いことが伺えます。
80年代を意識したものが多い中で、80年代問わず70年代、90年代を意識した楽曲も存在し、そういったものも含めてSynthwaveとも言われたりしますが、一般的には80年代をイメージされた楽曲の事を言います。
主な派生ジャンルでは、[Darksynth]、[Dreamwave]、[Fashwave]、[Scifiwave]
などが存在しています。
[Darksynth]
[Dreamwave]
[Fashwave]
[Scifiwave]
簡単な歴史
[French Electro House]や[French Electro]などが流行していた2000年代まで遡ります。
Kavinskyを始めとするアーティスト達は、ハウスミュージックと1980 年代の電子音楽の要素を融合させ、1980年代の楽曲にインスピレーションを得たサウンド使用した楽曲を制作しました。
その直後、College、Anoraak、Minitel Roseなどのフランスのプロデューサー数名が、同様のスタイルの音楽を制作し始め、「I Drive」とHotline Miami(ゲーム)の成功は、Synthwaveの普及に貢献し、このジャンルに新しいリスナーやアーティストが関心を引き付けることになります。
- I Drive
- Hotline Miami(サウンドトラック)
このジャンルが始まって以来、このサウンドに特化した多くのレコードレーベル(Valerie、Italians Do It Better、Rosso Corsa Recordsなど)が設立され、数多くのプロデューサーがこのジャンルから登場しました。
HOMEのようなアーティストの[Chillwave]と融合した[Chillsynth]から、[Darksynth]のダークでザラザラしたサウンドまで、2010年代を通じて数多くの独自の派生ジャンルが登場します。
Carpenter Brutなどのプロデューサーが、ソ連の電子音楽に影響を受けたジャンルである[Sovietwave]によっても普及しました。
また、[Synthwave]は上記の派生ジャンルだけでなく幅広い80年代の文化を取り入れており、1980年代のスポーツTV番組の画像に焦点を当てた[Sweatwave]や、1980年代の宇宙映画にインスピレーションを得たレトロフューチャーな[Spacewave]などのニッチなコンテンツが含まれます。
そしてSynthwaveは、レトロフューチャーとノスタルジーが融合したもう1つの主要なジャンルである[Vaporwave]の台頭のきっかけとなりました。
さらにSynthwaveはCHVRCHESのような 2010年代のシンセポップやエレクトロポップのアーティストの制作にも大きな影響を与えました。
影響されたジャンル
影響されたジャンルは当然ながらとても多く、80年代を代表するものばかりです。
ウィキペディアによると…
- Electronic
- 1980s film soundtracks(映画やドラマなどのサウンドトラック)
- Electro
- Euro disco
- French house
- Italo disco
- Video Game Music(ファミコンなどのレトロゲームの音楽)
- Chiptune
これだけのジャンルがあります。
- Electronic(Electronica)
- 1980s film soundtracks
- Electro(Electro Funk)
- Euro disco
- French house
- Italo disco
- Chiptune
主なアーティスト
本名はMike Gloverといいカナダのアーティストです。
2010年から活動しており、2012年にリリースした「Ocean Drive」が大ヒットし、後の2015年にはNew Retro Waveからリリースされた「Accelerated」はyoutubeで2700万回再生されており、Synthwaveの火付け役としても有名なアーティストです。
- Ocean Drive
Miami Nights 1984
- Accelerated
Miami Nights 1984
- MN84 Theme
Miami Nights 1984
- Only When It’s Dark
Miami Nights 1984, Gunship
- The Getaway
Miami Nights 1984
本名はCol Bennettでスコットランド出身のアーティストです。
Synthwave流行後期の2015年から活動しており、2016年にリリースされたアルバムであるAtlasはブームが去った現在でも大変人気があり、なかでも「Running in the Night」はSpotifyで3000万回再生されています。
- Running in the Night
FM-84
- Never Stop
FM-84, Ollie Wride
- Arcade Summer
FM-84
- Wild Ones
FM-84, Ollie Wride
- Good Bye
FM-84, Clive Farrington
Gunshipは2010年に活動休止したFightstarというバンドの中で活躍していたDan HaighとAlex Westawayによって2014年に結成されたイギリスのSynthwaveバンドです。
後に、ドラマーのAlex Gingellが加わりトリオとなります。
ファーストアルバムでありセルフタイトルであるGunshipは2015 年にリリースされ、かなりの好評を博しました。中でも「Tech Noir」は代表曲と言える知名度があり、Spotifyで2700万再生されています。
2019 年GunshipはSynthwaveのジャンルの起源と成長を探るドキュメンタリー映画「The Rise of the Synths」に登場しました。
Synthwaveの成り立ちなどに興味があったら観賞してみることをお勧めいたします。
- Tech Noir
Gunship, John Carpenter, Charlie Simpson
- When You Grow Up, Your Heart Dies
Gunship
- Dark All day
Gunship, Tim Cappello, Indiana
- Fly for Your Life
Gunship
- Ghost
Gunship, Power Glove
ABSOLUTE VALENTINEはフランス出身のアーティストです。
2014年からSynthwaveを制作し始め、2016年にはリリースされた二つのアルバムであるSunset LoveとPolice Heartbreakerを通じて人気を博すことになります。
私の感覚としましては、cyberpunkの雰囲気を醸し出すようなDarksynthに該当する楽曲が多いと思います。
- One night in Miami 1986
Absolute Valentine
- In the 42nd Street
Absolute Valentine
- Bad News
Absolute Valentine
- Omega
Absolute Valentine
- Magnatron Engaged
Absolute Valentine
ストリーミング
- Cheerzo
- FIXT
大体分かる音楽(動画)
主なレーベル
まとめ
Synthwaveは簡単に言ってしまえば、80年代の思い描いた未来、文化の再開です。
電子音楽のパイオニアで知られるGershon Kingsley(ガーション・キングスレイ)の「Popcorn」をはじめとする電子音楽は60年代に作られたものとは思えない程、先進的でしたが同時にマニアックな音楽ジャンルでもありました。
そして十数年経ち80年代の様な電子音楽がメインの音楽やそれを融合されたロックなどが作られ始め電子音楽というものが自然に溶け込んでいきました。
大衆からの電子音楽の受け入れが進み、音楽の進歩と共に技術の進歩の象徴でもあると派生ジャンルを含めるSynthwaveを聴き、改めて感じました。
少しでも魅力が伝われば幸いです。
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