簡単に概要
このイギリスで生まれたLiquid Drum and bassとはLiquid Funk、Liquid DnB、Melodic Drum and Bass、簡易的にLiquidと言われたりもするジャンルであり、疾走感や清涼感のあるEDMです。
昔のLiquid Drum and bassはLiquid Funkと呼ぶなど、呼称によって分類している方も居り、かく言う私もその一人でもあります。
楽器を使用されない代わりに滑らかなシンセラインや深いベースが特徴的で特にLiquid Funkではディスコやハウスの特徴が色濃く出ています。
数年経った現在でもDrum and Bassの主流ジャンルとして賑わっており、サウンドが現代風になりつつあり、Liquid Funkの要素は継承されている曲もありますが、殆ど面影が無いような曲もあります。
ここからは簡単にDrum and bassについて解説します。
Drum and bassは1990年代に盛んとなったジャンルでありDrum’n’Bassまたは、DnBなどと呼ばれており、簡単に言ってしまえばテンポの速い[BreakBeat]です。
BPMは大体165~180から作られ、Bassとジャンルに刻まれているだけあり重低音を重視されるジャンルでもあります。
[Dub]、[Reggae]、[Jungle]、[Breakbeat]等のジャンルに影響を受けており、影響を与えたジャンルは凄まじく、影響受けた多くのジャンルや、[Darkstep]、[Hardstep]などのステップ系、[Breakcore]などのサブジャンルは勿論、ロック系からポップス系まで幅広く影響を与えてきたジャンルです。
その疾走感からゲームやアニメなどでも制作されることがあります。
少なくともスピード感重視のゲームであるソニックザヘッジホッグのBGMとして制作されています。
歴史と現在
Liquid Drum and Bassの始まりは1999年にイギリスの[Drum and Bass]で有名なアーティストであるDJ Fabioから始まり、Sarah Sandyと共にLiquid Funkをリリースしており、Liquid Funkを世に関心を持ってもらうように努めていましたが、残念ながら初期の段階では人気を博すことはありませんでした。
しかし、2003年、2004年頃になると人気が高まるようになり、2005年には[Drum and Bass]で最も売れているジャンルの一つとして確立されました。
そしてレーベルからのリリースでは、Good Looking Records、Hospital Records、Liquid V、Creative Source、Shogun Limited、Fokuz Recordingsなどからリリースされ、特にHospital Recordsからは手厚く支持されておりこのジャンルの著名アーティストが多数在籍しています。
アーティストではCalibre、Netsky、High Contrast、Logistics、London Elektricity、Nu:Ton, Shapeshifter、DJ Marky、などと言った著名なアーティストにより多くのLiquidがリリースされました。
現在ではHospital Records、UKF、Liquicityなどに支持されており、これらのレーベルは今なお多くのファンを得ているレーベルです。
影響されたジャンル
Liquid Funkと呼ばれていた時代ではジャズやブルースのような70、80年代の代表的なボーカルが多く感じます。
影響されたジャンルではDrum and Bassだけでなく、[Funk]や[Soca]、[Ambient]などがあり、これらはジャンル問わず多くの楽曲に影響を与えているのだと考えさせられます。
- Drum and Bass
- [Funk]
- [Ambient]
- [BreakBeat Hardcore]
- [Trance]
- [Soca music]
- [Latin music]
- [Acid jazz]
- [post disco]
主なアーティスト
主なアーティストでは今の代表的なアーティストをご紹介します。
High Contrastはイギリスのウェールズ出身のアーティストです。
元々映画が好きで映画のサウンドトラックにも興じており、「時計仕掛けのオレンジ」や「ブレードランナー」などに夢中になっていたようです。
映画の勉強中にJ majikの「Arabian Night」を聴きDrum and Bassに興味を持った模様。
2002年には自身のデビューアルバムがHospital Recordsからリリースされその中の「Return of Forever」と「Global Love」が全英シングルチャートにランキング入りしました。
2003年にはBBCのラジオに特集され、2005年には自身のレーベルであるThe Contrastを立ち上げます。
2007年にはBBCのラジオ番組、Essential Mix of the Yearに選ばれ大きな反響を得ることになり、2008年には、様々なリミックスを制作しており、浜崎あゆみの「No Way to say」Adeleの「Hometown Glory」Eric Pyrdzの「Pjanoo」 などのリミックスをリリース。
2012年ではロンドンオリンピックの選手パレードの音楽に携わり、公式サウンドトラック「Isres of Wonder」に6曲収録されてます。
近年ではジョルジャ・スミスの「The one」をリミックスし第62回グラミー賞にノミネートされるなどといった活躍を今でも見せています。
- Return of Forever
- Days go by
- Hometown Glory – High Contrast Remix
- Remind me
- Kiss Kiss Bang Bang
Netskyはベルギー出身のアーティストです。
2009年後半にHigh ContrastやLondon Elektricityなどと言った有名なアーティストが在籍するHospital Recordsに契約し、2010年には初めての楽曲リリースにも拘らずBest Upcoming Producerにノミネートされます。
2010年5月31日にはファーストアルバム「1」、2012年6月25日に「We Can Only Live Today (Puppy)」を収録されたセカンドアルバム「2」をリリース。
シングル「Rio」は2015年にリリースされ、ベルギーのチャートで4位、イギリスのダンスチャートで29位に達し、BPI(British Phonographic Industry)からシルバーステータスを獲得。
この曲は2016年のロンドンの新年祝賀会で取り上げられ、2016年のリオ オリンピックでも使用され、ベルギー オリンピック チームの音楽大使に選ばれる名誉を授与されました。2015年、Netskyは音楽部門のフランダース年次文化賞も受賞しました。これが DJ とプロデューサーに授与されるのは初めてとなります。
2016年に3枚目のアルバム「3」をエピック・レコード/ソニー・ミュージック及びウルトラ・ミュージックからリリース。このアルバムはベルギーのチャートで1位となり、世界中のイベントでこのアルバムをツアーし、2018年にはリパブリック・レコードと契約し、様々な著名なアーティストをフィーチャー、またはコラボします。(デヴィッド・ゲッタ、アロー・ブラックなど)
2020年初頭、ファーストアルバムリリース10周年を記念して、Netskyはベッキー・ヒル、Rudimental、Montell2099、Hybrid Mindsとコラボ、フィーチャーしたドラムンベース・アルバムSecond NatureをHospital Recordsよりリリース。2021年、Netskyはニュージーランドのオークランドにあるスパーク・アリーナでGLASS HOUSEを初公開。
その後、2022 年にロンドンのプリントワークスとアントワープのベルギーのロト アリーナにてGLASS HOUSEを公開し、同年リタ・オラをフィーチャーした「バリケーズ」をリリースしています。
- We Can Only Live Today(Puppy)
- Rio(feat. Digital Farm Animals)
- Let Me Hold You
- Hold On
- Thunder(feat. Emeli sandé)
London Elektricityは(本名トニー・コールマン)イギリスのアーティストであり、Hospital Recordsの設立者、CEOです。
始めはChris Gossとのデュオで様々な名義を使用して楽曲をリリースしていましたが、広く認知されるきっかけとなったのがLondon Elektricity名義での楽曲「Song in the Key of Knife」でした。
1999年、Hospital Recordsからデビューアルバム、Pull the Plugをリリース。コントラバス、エレキギター、ブラスセクション、フルート、ストリングスなどと言った幅広いセッションミュージシャンを取り入れ、ジャズシンガーのリアン・キャロルは2つの楽曲のボーカルを提供しました。
2002年、Hospital Recordsの管理業務に専念する為、Chris Gossが脱退します。
2003年にはセカンドアルバムBillion Dollar Gravyをリリース。このアルバムの制作中に、セッションミュージシャンがバンドを結成し始め、ライブで演奏することに。
2005年にはサードアルバムPower Balladsをリリース。
Hospital RecordsのポッドキャストではBTデジタル ミュージック アワードでBest Podcastを受賞し、1番組あたり 30000 回以上ダウンロードされている模様。
2007年にBBC 1Xtra Extra Bassアワードのベストライブアクト賞を受賞しました。
2008年9月には4枚目のアルバム、Syncopated Cityをリリース。
5枚目のアルバムYikes!は2011年4月にリリースされ、2015 年 11 月にAre We There Yet?がリリースされました。
London Elektricity影響には、トーキング・ヘッズ、フェラ・クティ、クラフトワーク、ブライアン・イーノ、レッド・ツェッペリンなどのミュージシャンが含まれています。
ジャンルで言う所のジャズ、ソウル、ラテン、ダブ、ロック、パンクにあたります。
- Song In The Key Of Knife
- Attack Ships On Fire
- Billion Dollar Gravy
- Just One Second
- Build A Better World
Logistics、本名マシュー・グレシャムはイギリスのアーティストです。
主にRage Against the MachineなどのRock系の音楽やダウンテンポの音楽を聴いており、始めはDrum and Bassに興味を示さなかったが、1996年にフルサイクルレコードから発売されたミュージックボックス L.Pを聴き制作するきっかけとなりました。
Abletonのシーケンサーを使用して音楽を制作し、スタイルとしては、Soulの影響を受けたDrum and Bassの傾向にあります。家庭だけでなくクラブの聴衆もターゲットにしているためHospital Recordsからギャップを埋めると評価されています。
サブジャンルであるLiquid Funkと、エキサイティングなダンスフロア志向のDrum and Bassが特徴的です。
Logisticsの二人の兄弟、Nu:Toneとして知られるダン・グレシャムとBastilleやOther Echoesとして知られるニック・グレシャムも、Hospital Recordsと契約したプロデューサーです。
Logisticsが関わった最初のリリースは、2003年にTangent RecordingsからNu:ToneとNu:Logicとして共同制作した楽曲でした。その後、Logisticsという名前で最初の楽曲である「Come To You / Music」をNu:Toneが設立したレーベルからリリースしました。この楽曲がHospital Recordsとの契約に至りました。
当時、ゴールドスミス大学でグラフィックデザインの学位を取得していましたが、Drum and Bassで成功した後、音楽制作のプロとしてのキャリアをスタートするために中退しました。その後、「Together」や「Spacejam」と「The Trip」は、 GrooveriderとAndy Cから注目を集めました。
2006 年のアルバム「Now More Than Ever」は、BBC 1Xtraの 2007 Xtra Bassアワードを受賞しました。
London Elektrisityで知られるHospital Recordsのマネージャーであるトニー・コールマンは、インタビューでこのアルバムを「ホスピタルレコードからリリースされるこれまでで最も待ち望まれていたデビュー・アルバム」と述べています。
2016年3月25日にはアルバム「Electric Sun」をリリース。
2018年にもアルバム「Hologram」をリリースしています。
- Together
- Spacejam
- The Trip
- City Life
- Wanderlust
ストリーミング
申し訳ございませんが今回は、Apple Musicはございません。
UKFが制作したプレイリストとDiscover Records – Liquidが制作したプレイリストです。
どちらもThe Liquidな楽曲が多くチョイスされています。
大体分かる音楽(動画)
適している動画が無かったため、今回はMIXです。
MIXのなかでも特徴が分かりやすく最も有名なMIXです。
主なレーベル
筆者のおすすめ
筆者のおすすめです。
奮ってお聴きください。
レッツLiquid
まとめ
Liquid Drum and Bassは歴史があり、影響を受けたジャンルはどれも20世紀を代表するようなジャンルが多くありLiquid Drum and Bassもまた21世紀代表するジャンルであると感じます。
Liquid Drum and Bassは主に何かに集中したい時、就寝時に聴く方が居る模様。
個人的には自然豊かな場所をドライブしている時に聴くと疾走感や周りの風景とマッチしてよりおすすめです。
それにしてもオランダのEDMの網羅はすごいです。
どのジャンルでもオランダが関わっていることが多く伊達にEDM大国と言われてはいないと感じます。
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