Hyper Technoとは?

青と緑のステージライトで照らされたモッシュ Techno系

簡単な概要

Hyper Technoは、2022年後半から2023年初頭にかけて主にドイツやその近隣諸国で登場したかなり新しいジャンルです。
当時のテクノミュージックの成長と商業化に関連しており、[Hard Techno]や[Peak Time Techno]に似たドラムに限定され、構造的には特定のポップ志向のEDMや[Trance]と[Hard Dance]に近いものです。
このジャンルは、ポップな構造、シンプルな性質、比較的短い曲、約140〜160 BPMの高速BPM範囲、弾むようなリズム、テクノ独特の力強いドラムが特徴です。

一言いえばハイテンションでテクノ特有の力強いキックを継承したメロディックなTechnoです。[Melodic Techno]よりもメロディックです。
殆どの楽曲がリミックスなのでリミックスのジャンルというイメージが強いかも知れませんね。

一応言っておきますがテクパラではないです。

簡単な歴史

2000年代の音楽は[Erectro Pop]、[Hands up]、[UK Hard House]など、当時の人気ジャンルを含み、ヒット曲のリミックスが特に多く、2020年代初頭に流行した[Stutter house]
そして[Euro Trance]または[Euro Dance]が再流行した時を彷彿とさせます。
と言っても大体新しいジャンルはメジャー曲のリミックスなどで一気に知名度が広まるので当然と言えば当然ですが、有名なアーティストもノスタルジックなシンパシーを感じたのか挙って反応していたのが従来の反応とは少し異なる点かも知れません。

このジャンルはもともと、主にMaconや、 Niklas DeeCH4YNValexusなどのプロデューサーによって広められました。
このジャンルは、2022年のネオレイブシーンから、特にCreedsの「Push Up」や、Durdenhauerエイサップ・ロッキーSkeptaの「Praise the Lord (Da Shine) (DURDENHAUER Edit)」などが非常に人気を博しました。


ほとんどのトラックがリミックスであるHyper Technoは、主にSoundcloudとTikTokを通じて広まり、すぐに最も人気のあるジャンルの1つになりました。その後、ヨーロッパ諸国では​​「Mädchen auf dem Pferd」、「LET’S GET FKD UP」、「Pedro」など、数多くのトラックが人気となりチャートを駆け上りました。
このジャンルは主に新世代のインディーズアーティストによって開拓され、後にSpinnin’ Records、Kontor Records、Lithuania HQなどの主流レーベルや、大物DJ、さらには歌手やラッパーも惹きつけ、ある意味[Slap House]の後継となりました。

影響されたジャンル

  • Hard Techno
  • Peak Time Techno
  • Euro Trance
  • Stutter house
  • Hands up
  • UK Hard house

主なアーティスト

Macon(本名Marco Marian Porombka マルコ・マリアン・ポロムカ)はドイツ出身のアーティストで14歳から制作活動を開始し、後にマネージャーからMoguaiのソングキャンプに招待されたことから大きな始まりを迎えます。
そして2020年には9t9musicを設立し多くのアーティストの楽曲をプロデュースしました。
プロデュースした楽曲の中にはDUEJA、 Oliver HeldensKaskadedeadmau5Nile RodgersMoguaiMausioなどの大物アーティストのトラックが含まれています。
2022年に自身の音楽を磨く為アーティストへのプロデュースを減らし、2000年代のダンスクラシックのテクノリミックスの制作を開始し、 2023年初頭にそれらをTikTok 、YouTube、Soundcloudに投稿し、その結果ハイパーテクノというサブジャンルを開発し、短期間のうちにリミックスも含めて非常に人気となり、すぐにSoundcloudの世界的なチャートでトップを取ることになりました。

Soundcloudの年間チャートでは、2023年に世界で最もストリーミングされたエレクトロニックアーティストに選ばれ、2024年にはグラミー賞にノミネートされるなど多大な活躍を見せています。


  • Get Shaky(Macon’s HYPERTECHNO Remix)
    Ian Carey Project, Macon


  • S&M(With Chacel)- HYPERTECHNO Edit
    Macon, Chacel


  • Say It Right
    Macon, Enny-Mae


  • Bestie – Macon’s HYPERTECHNO Remix
    DUEJA, Macon


  • Stolen Dance – Hypertechno
    Macon

Niklas Dee(本名Niklas Dichtl ニクラス・ディヒトル)はドイツ出身のアーティストです。
2021年、自身が制作した楽曲に40000回以上再生されていることに気づかず過ごし、クリスマスの少し前に音楽レーベルのマネージャーがコンタクトを取ってきました。そのマネージャーがNiklas Deeを知った切っ掛けは、YouTubeで彼の曲を聴いたことがきっかけでした。
その後、「Hot Girl Bummer」 (Blackbearのカバー)は急速に広まり、さらに多くの曲がさまざまなレーベルからリリースされ、特にTikTokやSpotifyを通じて現在も多くのファンを得ています。


  • Not Fair
    Niklas Dee, Old Jim, Enny-Mae


  • Mädchen auf dem Pferd
    Luca-Dante Spadafora, Niklas Dee, Octavian, Pater Plate, Ulf Leo Sommer


  • I Can Feel
    Leony, Niklas Dee. VIZE


  • Einmal um die Welt 2k23
    Niklas Dee, NIKSTER


  • Around The World
    Niklas Dee, René Miller

CH4YN(本名 Marco Krstic マルコクルスティッチ)はドイツ出身のアーティストです。
ドイツのデュッセルドルフで育ち、幼い頃から音楽に魅了されてきました。
6 歳のときにクラシック ギターを始め、10 代の頃には自分で曲を作り始め、19 歳になると独学で制作に没頭し、徐々にポップ志向のサウンドからエレクトロニック領域に深く根ざしたものに移行していきました。現在、ダンスに適したハイブリッドミックスを作り上げ、ドイツのダンスシーンでは最もダイナミックな新人の一人としての地位を確立しています。
ドイツで最も魅力的な新進気鋭の才能の 1 人として称賛され、数千万のストリーミングを達成してきたCH4YNは、SonyMusicと契約し、新たに大きな活躍を期待されています。


  • How I Fell in Love
    CH4YN


  • Why Do You Hate Me
    CH4YN


  • Wings – JESSE BLOCH x CH4YN REMIX
    バーディ, CH4YN, Jesse Bloch


  • Never Die – CH4YN Remix
    Sono, CH4YN


  • Too Lost To Be Found
    CH4YN

2023年2月、 ValexusはSpotifyでデビューし、Soundcloudの2023年世界で最もストリーミングされたエレクトロニック アーティスト トップ3に選ばれ、Spotifyで最もストリーミングされたドイツのエレクトロニック プロデューサー トップ 30に入るなどの業績があり、CassöRaye による「Prada」のリミックスは、大きな反響を呼び起こし、彼を本当に際立たせているのは、現代の「ハイパー」テクノとEDMを革新的に融合させ、独自のサウンドを生み出していることです。
彼はRAYEMEDUZAcassöNiklas DeeIsabel LaRosaSam FeldtD-Block EuropeCulcha Candelaなどの大物アーティストと共に楽曲制作をしてきました。
今後の活躍をドイツ国内だけでなく世界中で注目されているアーティストの一人です。


  • Prada(feat. D-Block Europe)- Valexus Remix
    cassö, RAYE, Valexus, D-Block Europe


  • Turn All The Lights On
    Valexus


  • WILDS DING
    Valexus, Culcha Candela


  • 36 Grad
    Valexus, Rubi


  • I like the you kiss me
    Valexus

ストリーミング

  • Guesstimate

  • EGO

大体よく分かる動画

主なレーベル

Kontor Recordsは、80を超えるコールド及びプラチナ賞を受賞している有名なバンドScooterのメンバーであるJens Thele(イェンス・テーレ)によって1996年に設立されたドイツのハンブルクを拠点とするレーベルです。
有名な契約アーティストとしてはATBTiëstoArmin van Buuren, Scooterなどがいます。
YoutubeやSpotify、SNSにも力を入れており、youtubeでは630万人の登録者数。Spotifyでは代表的なプレイリストに約50万人以上のフォロワーを獲得しています。

Lithuania HQは、2012年から活動しているリトアニアのレーベル…かと思いましたがYoutube上の国籍ではマルタと書いてあるので正直分かりません。
[Slap House]の先駆者であることで有名で2017年にDynoroGigi D’Agostinoによる「In My Mind」をリリース。これは27億回以上のストリームを達成し、ドイツとフランスでダイアモンドステータスを獲得し世界のチャートで1位になりました。Lithuania HQは、これを大きなストーリーと表現しています。

まとめ

Hyper Technoはまだ生まれたばかりで、流行が著しく変化するSNSで人気を得たジャンルで、まだまだ始まったばかりのジャンルです。
旋律的なメロディが分かりやすくシンプルなリミックスの多いTechnoなので、既知曲なら尚更受け入れやすくEDM初心者にとてもおすすめです。
洋楽に詳しくなければノれないジャンルかも知れませんが、逆に詳しくなければ全て新鮮に聴けることが出来るという側面があります。
もしHyper Technoを聴いてTechnoに興味が出てきたら他のTechnoジャンルにも手を出してもいいかも知れません。

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