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簡単に概要
Tropical Houseは [Deep House] のサブジャンルの一つです。
BPMはDeep House(100~115)よりも遅くハウスミュージックの中ではゆったりとしたジャンルになります。
サウンドの特徴としては、スティールパンやマリンバ、パンフルートと言った南国楽器の音がよく使われます。他にもコンガやサックスやトランペット、アコースティックギターなどと言った音を使われることも多いです。
Tropicalというだけあり、南国をイメージしやすい楽器が使われていたりもしますが、たとえ南国のような音が使われていなくとも、ゆったりとした感じと清涼感のある演出が出来ているならばTropical Houseだと言う方が多いです。因みに自分もそう考えています。
殆どの楽曲でボーカルが存在している中で、Instrumental Tropical Houseというボーカルが無い、または最小限に抑えられ、南国を感じやすい音で高揚感のある曲からリラックスできるような曲まであり、より南国を感じたい方、ビーチなどで夏特有のノスタルジックな気分に浸りたい方にはうってつけではないかなと思います。
主に使用される楽器
楽器の名を聞いてもピンとこない方用にスティールパン、マリンバ、パンフルート、コンガの動画です。
マリンバに至っては昔のiPhoneのデフォルト着信音だったり、マリンバやシロフォンを木琴として使用している学校があるなど、楽器に興味の無い方でも聞いたことのある音かも知れません。
歴史と現在
始まりはオーストラリアの音楽プロデューサーであるトーマス・ジャックの冗談から始まったとされ、その冗談が真となったのがきっかけです。Tropical Houseがハウスミュージックとしてポピュラーなジャンルとして確立したのは、2013年にKlangkarussellの「Sun Don’t Shine」やカイゴ、ロビンシュルツと言ったアーティストの出現がきっかけとなりました。
取りつき易いジャンルでありマクロ的な視点で見ても、かなり安定した人気を誇ります。
真夏のシーズンに入るとフェスティバルなどで演奏されヒートアップしますが、夏が過ぎ涼しくなると徐々にクールダウンします。Tropicalなだけに波があるジャンルであると思います。
しかしオーストラリアなどの南半球の国では季節が逆さとなる為、アメリカやヨーロッパが冬ならばオーストラリアなどでは夏となり、冬季はオーストラリアでヒートアップすることとなります。
これがオーストラリアでTropical Houseが活発である一つの理由かと思われます。
- Sun Don’t Shine
Klangkarussell
影響されたジャンル
- [Deep House]
1980年代後半から広く認知されるようになり現在でも人気が根強いEDMの主流ジャンルです。
昔のDeep Houseは、深くはっきりと聴こえるベースラインがあり、ジャズファンクを融合したジャンルでもある為、ブルースの様なボーカルやサックスなどが使われる楽曲も多々あります。
現在では漂うようなベースラインを持っていたり、リズミカルなベースやリードを持っている楽曲が多く、大きく異なる点は最近のEDMのようなボーカルやエフェクト、シンセなどがある事ぐらいで他は正統派な進化を感じるようなサウンドを使われています。
現在のDeep Houseは暗いサウンドを持つのに対してTropical Houseは全体的に明るいサウンドが多く、暗いサウンドがある曲も存在しますが基本的にノスタルジックな気分にさせてくれるような曲が多いと感じます。
主なアーティスト
2016年から新曲がリリースされていませんが、Tropical Houseを築いたトーマス・ジャックの名曲であるRiversはサム・フェルトがリミックスしたり、Nico & Vinzがフィーチャーリング(ゲスト出演)するなど大きな反響を得ました。
- Rivers
トーマス・ジャック
- Rivers(Feat. Nico & Vinz)
トーマス・ジャック
- Rivers – Sam Feldt & De Hofnar Remix
トーマス・ジャック
カイゴはノルウェーのアーティストで、幼いころからピアノを学んでいくに連れ楽曲制作に興味を持ち、10代の頃にはアヴィーチに一目置かれる様にまでなりました。
2013年には自身のアルバムを制作し、特に「I See Fire」(エド・シーランによって制作された楽曲)のリミックスはYoutubeで何百万もの再生回数があり、その過程でアヴィーチやコールドプレイなどの大物アーティストとのリミックスオファーに繋がりメジャーデビューに結びついたようです。
2020年にはワンパリブリックとコラボしLose Somebodyをリリースし大きな反響を得ています。
- I See Fire
エド・シーラン, カイゴ
- Lose Somebody
カイゴ, ワンリパブリック
- It Ain’t Me(with Selena Gomez)
カイゴ, セレーナ・ゴメス
- Higher love
カイゴ, ホイットニー・ヒューストン
- Fire Stone(Feat. Conrad Sewell)
カイゴ
ロスト・フリクエンシーズはベルギー生まれのアーティストで、2014年にアメリカのシンガーEaston Corbinの楽曲である「Are You Wish Me」をリミックスし、この曲はウルトラトップ50に9ヶ月程ランクインし続け、5週間程1位となりました。
これに続き、(2015年)Reality, (2016年)Beautiful life, (2017年)Crazy, (2018年)Melodyなどと言った楽曲が世界的にヒットし今に至ります。
- Are You Wish Me
ロスト・フリクエンシーズ
- Reality
ロスト・フリクエンシーズ
- Beautiful Life
ロスト・フリクエンシーズ
- Crazy
ロスト・フリクエンシーズ & Zonderling
- Melody
ロスト・フリクエンシーズ, ジェイムズ・ブラント
シーブはノルウェーのデュオアーティストです。
アメリカのシンガーであるマイク・ポスナーの楽曲「I Took a Pill in Ibiza」のリミックス(2015年)アイルランド、イギリス、オランダ、ノルウェーでチャート1位を獲得し、これを期に国際的な注目を集めることになりました。
その後デビューシングルであるneevをフィーチャーリングした「Breathe」やバスティーユやワンリパブリックと言ったバンドとコラボするなど大きな活躍を見せています。
2020年にはグラミー賞などにノミネートされますが、コロナで延期となってしまいました。
- I Took a Pill in Ibiza(Seeb Remix)
マイク・ポスナー, シーブ
- Rich Love(with Seeb)
ワンパリブリック, シーブ
- Breathe(Feat. Neev)
シーブ
- Hymn for the Weekend – Seeb Remix
コールドプレイ, シーブ
- Unfamiliar
Seeb, Goodboys & HRVY
サムフェルトはオランダのアーティストであり、2015年にロビンSの「Show Me Love」をリミックスした所、UKシングルチャートにて4位を飾り、更にオーストラリアやオランダとベルギーでもチャートインするなど、かなり大きな反響がありました。
2016年にはLucas & Steveとの合作である「SummeronYou」をリリース。
この曲は最終的にオランダでプラチナ賞を受賞しました。
2020年には自身のレーベルや地球温暖化に関する慈善団体であるハートフェルト財団を立ち上げるなど、音楽だけでなく地球環境問題に取り組みたいという試みが見られます。
- Show Me Love
サム・フェルト
- Summer On You(Feat. Wulf)
サム・フェルト, Lucas & Steve
- Post Malone(Feat. RANI)
サム・フェルト, RANI
- 2 Hearts(Feat. Gia Koka)
サム・フェルト, Sigma, Gia Koka
- Runaways(Feat. Teemu)
サム・フェルト, Deepend
ロビン・シュルツはドイツのアーティストです。
エコーポップで4回優勝を飾り、グラミー賞にノミネートされました。
父親はDJであり、その影響で自身もDJや電子音楽や音楽制作に興味を持ったようです。
2013年に様々なヒットシングルをリミックスするに連れ、2014年にMr.Probzの楽曲である「Waves」のリミックスをリリースしフランスやドイツを含むヨーロッパ11か国でチャートインし、同年Lilly wood and the Prickの「PrayerinC」のリミックスをリリースするとヨーロッパ21か国やオーストラリアやニュージーランドでもトップ10を飾り、アメリカやカナダでもチャートを記録するなど多大な評価を得ました。
- Waves – (Robin Schulz Remix)
Mr. Probz, ロビン・シュルツ
- Sugar(Feat. Francesco Yates)
ロビン・シュルツ
- Prayer in C
Lilly Wood and The Prick, ロビン・シュルツ
- Speechless(Feat. Erika Sirola)
ロビン・シュルツ, Nick Martin, Sam Martin
- In Your Eyes(Feat. Alida)
ロビン・シュルツ
ストリーミング
サブスク音楽です。
全体的に定番のものもあれば人気急上昇した楽曲が見られます。
- Spotifyが提供するプレイリストです。
定番なものだけでなく現在注目されている楽曲も選曲されています。
- Apple Musicが提供するプレイリストです。
Spotifyとはまた異なった選曲がされています。
Instrumental Tropical House
今回はInstrumental Tropical Houseもピックアップします。
インストゥルメンタルなのでボーカルが無かったり、最小限に抑えられています。
かなり作業用におすすめです。
- Kimberlyという個人の方が作成したプレイリストです。
- Deep Stationが作成したプレイリストです。
大体分かる音楽(動画)
大体分かる音楽(動画)です。
綺麗なねーちゃんとイケメンがよく映ります。
主なレーベル
筆者のおすすめ
- 筆者のおすすめです。
奮ってお聴きください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
Tropical Houseはとても高揚感のある曲であったり、ノスタルジックな楽曲があったりトロピカルというだけ音楽から映像がイメージしやすいジャンルです。
殆どメロディックで聴きやすい為、House系で今のところ一番おすすめしたいジャンルです。
初夏から晩夏にかけて聴くのもいいですが季節関係なく音楽として聴くのもまたお勧めしたい所です。
個人的には奄美地方や沖縄地方などの明媚な砂浜で聴くとより風情と合わさり心地良い気分になるので是非試して頂きたいです。
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