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概要
簡単に言えば、南アフリカの伝統音楽的要素と[Deep House]を融合させたジャンルです。
クオンタイズ(リズムを完璧に合わせること)をあえて少し崩した、リズムの揺らぎが非常に愉快なジャンルです。
南アフリカで誕生したこのジャンルは、120 BPM前後の4つ打ちのハウスビートに乗せられた、シェイカーやコンガといったドラムを取り入れたリラックス感のあるハウスです。
南国というイメージもありIbizaとの親和性があるので、イビザ島の昼間にはAfro House、夜にはもう少しエレクトロな[Afro Tech]が夜を彩ります。
2025年のイビザではAfro Houseがいたるところで鳴り響き、昼のボートパーティーからピークタイムのクラブセットまで幅広い場面で流れていました。
特にVancoとAYA.SYSTEMの「Ma Tnsani (Yalla Habibi)」がイビザで最もShazamされた楽曲となり、8000万ストリームを記録しました。
簡単な歴史
Afro Houseは2000年代半ば頃に登場し、Black Coffeeがその先駆者と見なされています。
彼のレーベルである「Soulistic Music」は、Culoe de SongやDa Capoといったアーティストと共に、その後の数年間でジャンルの確立に大きく貢献しました。
当初は国内のクラブ・サウンドを席巻し、Bucieのような地元の歌手とのコラボレーションを通じて、南アフリカ国内で成功を収めました。2010年代初頭からは、Pablo FierroやDjeffといったアーティストによって国外へも広まり始めました。また、レーベルである「Madorasindahouse」のYouTubeチャンネルや「MoBlack Records」も、ジャンルの普及において重要な役割を果たし始めました。
このジャンルが真に爆発的な人気を得たのは2010年代半ばから後半にかけてです。前述のDJたちは世界的に成長し、THEMBA、Shimza、Sun-El Musicianといった南アフリカの新たな著名アーティストも加わりました。Afro Houseは他国へも広く普及し、イタリアの「Go Deeva Records」が主要レーベルとなったほか、ドイツのDaniel Rateuke、モロッコのFNX Omar、スペインからはSparrow & Barbossaといった国際的な新鋭アーティストも登場しました。
また、DiploのようなメインストリームのDJをも惹きつけ、「Spinnin’ Deep」や「Defected Records」といった大手レーベルにも登場するようになります。後に「Defected」はAfro House専門のサブレーベル「Sondela Recordings」を立ち上げました。
さらに、2010年代後半のハウストレンドである[Melodic House]や[Organic House]ともクロスオーバーし、互いに影響を与え始めました。2020年代に入ると、Afro Houseはもはや南アフリカ限定のジャンルではなく世界的な現象となりました。その一方で、本国南アフリカでは、新しく誕生した現地スタイルであるAmapianoに人気を譲り、勢いが衰え始めています。
とはいえ、Splice Core Trends 2026によれば2025年、Afro Houseは前年と比較し778%増(660万ダウンロード突破)という統計結果を出していますし、これからもAmapianoも派生ジャンルを含め人気を帯びていくのではないかと私は考えています。
AmaPianoについて
Afro Houseについて書くのであれば必ずAmapianoを書くべきだと考えたのでここにAmapianoを置きます。
因みに結構長いです。
Amapianoは南アフリカのハウスミュージックの一種で、2016年頃にヨハネスブルグ周辺で生まれました。以前から人気のあった[Gqom]や[Kwaito]といったジャンル、そして[Deep house]を源流としています。
Kabza de Small、TNS、Sun-El Musician、Samthing Soweto、MFR Souls、DJ Maphorisaといった一連のプロデューサーたちの影響のもと、2019年には南アフリカのハウスシーンを代表するサウンドへと成長しました。
Amapianoの特徴は、複雑なリズムとパーカッション、ラウンジやジャズ、あるいは教会のオルガンを彷彿とさせる高音域のシンセメロディ、そして力強いベースラインにあります。
楽曲はゆったりとした構成で展開が長く、リラックスしたグルーヴ感のある雰囲気から、よりアグレッシブなサウンドまで幅広い表情を持ちます。ダンスフロアでは、[Gqom]と似たスタイルで踊られます。
AmapianoのAmaはズールー語で複数形を表す接頭辞であるため、このジャンル名はシンプルに「ピアノ(複数)」を意味します。
まぁもう少し砕けたように言うなら「ピアノがいっぱい鳴ってるやつ」みたいなニュアンスなんでしょうかね?
2023年10月、Tyla (Tyla Laura Seethal)の[Afro Beats]とAmapianoを融合させた楽曲「Water」は、TikTokなどでバカルディハウスダンスチャレンジ、Water Challengeとして爆発的にダンストレンドが流行したことで国際的に注目を集めました。
この曲は、南アフリカのソロアーティストの楽曲として55年ぶりに米国のビルボードホット100にランクインし、イギリス、アイルランド、オーストラリア、オランダ、スウェーデン、ニュージーランドでトップ10ヒットとなり、ニュージーランドでは1位を獲得しました。
- 主なアーティスト
King of Amapiano。
アマピアノを世界へ押し上げた王です。
Amapianoは2010年代半ばに南アフリカのタウンシップ(黒人居住区)のストリートから生まれたジャンルですが、それをローカルな流行から世界的なジャンルへと進化させた最高の功労者です。
独自のサウンドスタイルである[Kwaito]や初期[Deep House]のDNAを色濃く受け継ぎ、美しいピアノの旋律、ジャジーなコード、そして地を這うような重低音(ログドラム)を完璧に融合させたスタイルを確立しました。
そして最も欠かせないのが、もう一人の重鎮DJ Maphorisaとの強力なタッグです。
二人は「Scorpion Kings」というユニットを結成し、2019年以降にリリースした一連のアルバムで爆発的なヒットを連発しました。
いつ寝てるかわからないと言われる程のハードワーカーとしても有名で、そんでもってスピードとクオリティを落とさずにリリースします。
1つのアルバムに20曲以上収録されることはザラで、一年に何枚もフルアルバムやEPをリリースしています。
- Imithandazo
DJ Maohorisa, Young Stunna, Sizwe Alakine, Umthakathi Kush
- Abalele
Kabza De Small, DJ Maphorisa, Ami Faku
- Sponono
Kabza De Small, Madumane, Wizkid, Burna Boy, Cassoer Nyovest
- Abantwana Bakho
DJ Maphorisa, Xduppy, Kabza De Small, Thatohatsi, Young Stunna, Nkosaszana Daughter
- Aside Happy
Kabza De Small, DJ Maphorisa, Ami Faku
アマピアノの王Kabza De SmallとヒットメーカーDJ Maphorisaの2人が結成した、南アフリカの音楽史上最も成功しているスーパー・デュオアーティストで、アマピアノというストリートの音楽を、世界的な[Melodic House]のトレンドへと爆発させたレジェンド達です。
彼らは2019年にセルフタイトルのデビューアルバム『Scorpion Kings』をリリースしました。これが南アフリカの音楽シーンの歴史を完全に塗り替えることになります。
彼らは最初の10ヶ月の間に、続編となる『The Return of the Scorpion Kings』や、コロナ禍のロックダウン中に制作された『Once Upon A Time in Lockdown』など、計4〜5枚のフルアルバムやEPを立て続けにリリースしました。
短期間での乱発だったにもかかわらず、どのアルバムも南アフリカのミュージック・アワード(SAMA)などでAlbum of the Yearを獲得。
ストリートの粗削りな音楽だったアマピアノに、洗練されたポップスとしてのコード進行と中毒性の高いログドラムを定着させた教科書となりました。
彼らの作品からは、アマピアノの女王と呼ばれるSha Sha(シャシャ)や、数々のアンセムを歌うFocalistic、Msakiといったスターが次々とブレイクを果たしました。
さらに、アフロ・ポップの巨頭であるコンゴ民主共和国出身のシンガーTRESORと組んだコラボアルバム『Rumble in the Jungle』(2021年)では、スワヒリ語やフランス語、ズールー語をミックスし、Amapianoをアフリカ大陸全体のアンセムへと拡張しています。
南アフリカのスタジアム(ロフタス・ヴァースフェルド・スタジアムなど)を満員にするのはもちろんのこと、その熱狂は完全に世界へ飛び火しています。
因みにFNBスタジアム(95,000席)での超巨大ライブを企画した所、その9万5千人分のチケットが、発売からわずか一週間で一般席すべて完売するという、南アフリカの音楽史を塗り替える前代未聞の記録を叩き出しています。
SpotifyのYouTubeチャンネルで彼らのこれまでの歩みを記録した公式ドキュメンタリー映画『The Untold Scorpion Kings Story』が公開されるなど、もはや一過性のダンスユニットではなくアフリカのポップカルチャーの象徴として扱われています。
ロンドンのPrintworksでのソールドアウト公演や、ニューヨークのセントラルパークでのギグを経て、2026年5月にはイギリス・ロンドンのバーキング・パークで開催される大型音楽フェスHigh Lights Festivalのヘッドライナーを務めるなど、イギリスのクラブシーンの勢力図も書き換えつつあります。
DJ MaphorisaはAmapianoを世界へ繋いだ主要アーティストの一人です。
最初に名を馳せたのは、[Kwaito]の4人のグループアーティストであるUhuruを結成した時です。2013年にリリースされたUhuruの「Y-Tjukutja」という楽曲は、南アフリカ全土でその年を代表するヒットとなり、彼らは一躍トッププロデューサーの仲間入りを果たしました。
また、ナイジェリアのスターであるDavidoのメガヒット曲「Aye」(2014年)をプロデュースしたのも、このUhuruです。
2010年代半ばには、南アフリカのダーバンから生まれたダークで暴力的な高速ハウス[Gqom]をいち早くフックアップし、世界的なトレンドに押し上げました。
自身のルーツである[Kwaito]のプロデュースや、Afro Houseの制作でも数々のヒットを飛ばしています。
彼はストリートで何が流行り始めているかを察知する鋭い嗅覚を持っています。
Maphorisaの凄さは、南アフリカ国内に留まらず、世界のトップスターたちと対等に渡り合える国際的な影響力にあります。
2014年世界的大ヒットとなったDrakeの「One Dance」に、共同プロデューサーとしてクレジットされています。
Major Lazer、Burna Boyといった、グローバルなアフリカン・ポップス[Afro Beats]の巨頭たちと早くから楽曲を制作し、南アフリカの音を世界に輸出するパイプ役を果たしました。
自身の知名度とマーケティング力を使い、Kabza De SmallとScorpion Kingsを結成。これによりAmapianoは一気に全土のメジャーラジオやクラブを支配することになります。
ボーカルのSha Shaをはじめ、多くの若い才能を自身のレーベルBlaqBoy Musicからデビューさせ、ジャンルのエコシステムそのものを大きく育てました。
- Banyana
DJ Maphorisa, Tyler ICU, Kabza De S,mall, Sir Trill, Daliwonga
- Izolo
DJ Maphorisa, Tyler ICU, Visca, Madimane, Mpura, Daliwonga
- MONEY CONSYANT
DJ Maphorisa, DJ Tunez, Wizkid, Mavo
- Particula
メジャー・レイザー, DJ Maphorisa, Nasty C, Ice Prince, Paroranking, Jidenna
- Mnike
Tyler ICU, Tumelo_za, DJ Maphorisa, Nandipha808, Ceeka RSA, Tyrone Dee
Amapianoの名付け親。
2012〜2013年頃、まだアンダーグラウンドで実験的な楽曲を制作していた時、南アフリカのストリートでは彼らの音楽を単にiNumba(インバ)などの独自のローカル名で呼んでいました。
しかし、楽曲の中でピアノ(ジャズピアノやキーボードの旋律)が決定的な役割を果たしていることから、彼ら自身がこの音楽スタイルをAmapianoと名付けました。これが現在の巨大ジャンルの名前の起源です。
歴史のなかで、[Kwaito]のグルーヴに[Deep House]を混ぜるという動きがありましたが、それを最も早く、自覚的な楽曲制作として落とし込んだのがMFR Soulsです。
彼らは地元のベテランハウスDJたちの手法を熱心に研究し、南アフリカ独自のアンダーグラウンドな[Deep House]にジャジーな鍵盤リフを重ねるスタイルを確立させました。
- Love You Tonight
Mfr Souls, DJ Maphorisa, Sha Sha, Kabza De Small
- Amanikiniki
Mfr Souls, Major League Djz, Kamo Mphela, Bontle Smith
- Ngifa Nawe
Mfr Souls, Kabza De Small, MaWhoo, Bassie, T-Man SA, Shane907
- No Ties – Amapiano Remix
Tshego, king Monada, Mfr Souls
- Seasons
Mfr Souls, MDU aka TRP
- AMAPIANO GROOVES
Spotify
- Gqom
- Deep House
- South African Jazz
- Soul
- Lounge
- Afropiano
ナイジェリアン・アマピアノとも呼ばれ、[Afrobeats]とAmapianoを融合させたジャンルです。2020年代初頭にアフロビーツの人気派生形として注目を集めました。
パイオニアはClemzyとL.A.Xです。
- Bique(ビーク)
モザンビークの国名に由来するジャンルで、うねりのあるログドラムサウンドが特徴的です。ZanTenとDJ SOL Kによる「Ize (Bique Mix)」や、FOI & Jay Musicの「Bique (Deep Groove)」などが代表的な楽曲として挙げられます。
- Bongopiano(ボンゴピアノ)
タンザニア発祥のボンゴフレイヴァとアマピアノを融合させたジャンルで、2020年代に登場しました。Diamond Platnumz、Marioo、Harmonize、NandyJux、Mbosso、Zuchuなど、タンザニアを代表する多くのアーティストがボンゴピアノの楽曲をリリースしています。
- Gqom2.0
2010年代中盤〜2020年代初頭にかけて[Gqom]のサブジャンルとして登場しました。[3-Step]や[Sgubhu]といった他の[Gqom]派生形と並ぶ存在で、テンポを落としたビートにAmapiano、Afro House、[Afro Tech]の要素を組み合わせているのが特徴です。
- New Age Bacardi
2021年中頃に生まれた、[bacardi]とAmapianoの融合ジャンルです。
Mellow & SleazyのトラックにKabza De Small、Mpura、Focalistic、DJ Maphorisaが参加した「Trust Fund」が代表例として挙げられます。DJ Maphorisaによれば、プレトリア出身のプロデューサーたちがこの融合において重要な役割を担っており、オリジナルの速いバカルディのテンポをスローダウンさせたのが特徴とのことです。
- Ojapiano(オジャピアノ)
2020年代初頭にナイジェリアで生まれた、イボ族の伝統楽器オジャ(縦笛)とアマピアノを融合させたサブジャンルです。[Ojapiano]という言葉はKceeが考案しました。Kcee、Snazzy the Optimist、Oxlade、そしてアメリカのポップロックバンドOneRepublicなどがこのジャンルの先駆者として知られています。
- Popiano(ポピアノ)
ポップミュージックとアマピアノを融合させたジャンルです。プロデューサーのKooldrinkとDJ Lag、シンガーのTylaによる2021年のシングル「Overdue」が代表的な作品で、[Popiano]と[Gqom]の融合が体感できます。Tylaはポピアノ誕生以来「ポピアノの女王」と称されています。
- Private School Piano(プライベート・スクール・ピアノ)
ソウルフル・アマピアノとも呼ばれ、シェイカー、落ち着いたログドラムサウンド、展開のあるコード進行が特徴です。このジャンルはKelvin Momoが生み出したとされており、ギター、サックス、バイオリン、トランペットなどの生演奏を取り入れることが多いのも特徴です。
- Sgija(スギジャ、スキーガなど)
[Deep House]とAmapianoの要素を融合させたサブジャンルで、MDU aka TRPがパイオニアとされています。アマピアノの中でも特に南アフリカではグルーヴィーと感じられるタイプとして親しまれており、パーカッションを前面に押し出したシンプルな構成が特徴です。
ちなみにPrivate School Pianoのところで名前が出ていたKelvin MomoはこのSgijaとも深い関わりがあるアーティストです。
- Quantum
リエディット(既存曲の再編集)を基本とするジャンルで、[Gqom]とりわけTaxi Kickスタイル(南アフリカのストリートのタクシーカルチャーから生み出された、非常にエッジーなキックドラム)に強く影響を受けています。RealShaunMusiq、Sizwe Nineteen、Nandipha808といったプロデューサーたちがこのジャンルの立役者として名を連ねています。
因みに名前の由来は、南アフリカの都市部やストリートで、足車として大きなシェアを誇るToyota Quantum(トヨタ・クアンタム、ハイエースの現地仕様車)という乗合ミニバン型タクシーが由来です。
南アフリカのAmapiano文化はもともとFacebookのグループを中心に広まったという背景がありFacebookでのポストは割とありますが、レーベルとしてでは、他のSNSだと殆どありません。
Piano HubやNew Money Gang Recordsなどのレーベルは、従来のレコード会社というよりも、地元のトップクリエイターが集まったストリートの巨大なクルー(共同体)という性質が強いです。
むしろ個々のアーティスト(Kabza De SmallやDJ Maphorisaなど)の方がSNSを積極的に活用していて、レーベルとしての発信は弱い傾向があります。
もし新鮮なAmapianoを追いたいなら個々のアーティストをフォローする事をお勧めします。
Kabza De Smallが主宰する、Amapiano界の最高峰レーベルです。
南アフリカのローカルカルチャーであるAmapianoを、最も洗練された芸術の域へと押し上げ、現在もシーンのサウンド・トレンドの基準を創り出し続けています。
ここでの音楽は、ストリート向けの荒々しい電子音とは一線を画します。
ジャズピアノの美しい旋律、[Deep House]譲りのディープな浮遊感、そしてソウルフルなボーカルをブレンドした、通称 Private School Piano(プライベート・スクール・ピアノ)と呼ばれる上品で奥深いプレイスタイルの先駆者であり、これの最高峰です。
Kabza De Smallの審美眼によって見出された才能が、このレーベルからデビューした瞬間にトップスターへと駆け上がるサイクルが確立されています。
ただ曲をリリースするだけでなく、南アフリカのストリートカルチャーの熱量をそのままパッケージして世界へ輸出する、最強のレーベルです。
- Kabza De Small
主宰はDJ Maphorisaで、ナイジェリアの[Afro Beats](WizkidやDavidoなど)や、アメリカのヒップホップ/R&Bシーンと直接コラボレーションし、Amapianoをローカル音楽から世界のビルボード・チャートに入るポップスへと昇華させました。
洗練されたキャッチーなボーカルと、誰もが踊れるグローバルなサウンドが特徴です。
Tyler ICUやDaliwongaといったトッププロデューサーやボーカリストを多数抱え、彼らを適材適所で組み合わせてメガヒットを量産します。Kabza De SmallのPiano Hubとも強力なタッグを組んでおり、両者のコラボレーションはAmapiano界において絶対に失敗しない最強のブランドとして名を馳せています。
こちらもHPは恐らく無く、DJ MaphorisaのSNSが実質的に公式的な役割を果たしています。
ここのSpotifyは有志の方のプレイリストになります。
DJ Maphorisa
Mr JazziQが創設した、現在のアマピアノで最もエッジのあり、南アフリカの若者世代を熱狂を爆発させているストリートの最前線です。
クラブやTikTokで踊り狂うための最もディープで攻撃的なアンダーグラウンド・カルチャーを象徴しているレーベルです。
彼らのサウンドは、Piano Hubのような美しいジャズピアノの旋律をあえて削ぎ落とします。代わりに、アマピアノの命である「ログドラム(重低音)」の歪みや唸りを極限まで強調し、変則的でパーカッシブなビートを前面に出した[Sgija](スギジャ)や[Quantum]と呼ばれる独自の攻撃的なサブジャンルを確立しました。
主宰のMr JazziQは、ネットの片隅や地元のストリートにいる機材と才能だけはあるが、まだ誰にも知られていない10代〜20代前半の少年たちを見つけ出し、共同生活をさせながら音楽を作らせる育成の天才です。Zan’TenやJustin99、Djy Bizaといった、現在のシーンを牽引する若き天才プロデューサーの多くがここから発掘されました。
影響されたジャンル
Afro Houseは勿論、Amapianoもどちらも色濃く影響を受けているのは[Kwaito]というジャンルです。
80年後半から90年代初頭にかけて生まれたジャンルで、自由と解放を表現する南アフリカを代表する音楽であり南アフリカのダンスミュージックのルーツを持っているジャンルです。
- House
- Mbaqanga
- Deep House
- Tribal House
- Soulful House
主なアーティスト
Black Coffeeはアフリカの電子音楽をグラミー賞やイビザの頂点へと導いたアーティストです。
つまり伝説。
14歳の時に交通事故に遭い、左腕の自由を失いましたがしかし、そのハンデを微塵も感じさせないほど、右手一本で完璧かつ複雑なDJミックスと楽曲制作を行います。その圧倒的な技術と精神力は、世界中の音楽ファンから深いリスペクトを集めています。
彼の音楽の最大の魅力は、アフリカの伝統的なパーカッションのリズムに、ソウルフルでジャジーなディープハウスを融合させた極めてエレガントでスピリチュアルなサウンドです。
現在、ダンスミュージックの聖地・イビザ島の世界最高峰クラブ「Hï Ibiza」で不動の看板DJ(レジデント)を務め、世界中のセレブやクラバーを熱狂させ続けています。
2022年の第64回グラミー賞において、アルバム『Subconsciously』で最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞を獲得しました。
この部門をアフリカ人アーティストが制したのは史上初の快挙であり、彼が名実ともに世界の頂点に立った瞬間です。また、Drakeのダンス・アルバム『Honestly, Nevermind』でエグゼクティブ・プロデューサーを務めるなど、世界のトップスターからも絶大な信頼を得ています。
- Superman
Black Coffee
- We Dance Again
Black Coffee, Nakhane
- Drive
Black Coffee, ゲッタ, Delilah Montagu
- The Rapture Pt.Ⅲ
&ME, Black Coffee, Keinemusik
- Never Gonna Forget
Black Coffee, ディプロ, Elderbrook
10代の頃から地元南アフリカのDJたちの間で話題になり、2007年には17歳の時に制作した楽曲「100 Zulu Warriors」が、Black Coffeeの耳に留まります。
これがBlack Coffeeのアルバムに収録されたことで大ブレイクを果たし、(C Zulu名義)そのまま彼のレーベルであるSoulistic Musicと契約しました。
さらに翌年の2008年、18歳の若さで世界的な音楽育成プログラムRed Bull Music Academyの参加者に選抜され、南アフリカだけでなく世界のクラブシーンから一気に注目を集める超新星としてデビューしました。
ズールー族の伝統的なリズムやチャント(詠唱)を、催眠術のように反復するディープハウスやテクノのビートに落とし込むスタイルを得意としています。
彼の音楽は単なるダンスミュージックという枠を超え、トランス状態に誘う、癒やしや祈りを感じると評されるほど、非常にスピリチュアルで没入感の高いサウンドデザインが施されています。
彼のもう一つの大きな功績は、Afro Houseをヨーロッパの本格的な[Deep House]のリスナー層に深く浸透させたことです。
ドイツの世界最高峰のアンダーグラウンド・レーベルであるInnervisions(DixonやÂmeが主宰)や、日本のMule Musiqといった、世界のレーベルから次々と楽曲をリリースしました。
これにより、Afro House=陽気な音楽という固定観念を打ち破り、イビザのディープなフロアやヨーロッパの巨大フェスでも機能する、最先端の電子音楽としての地位を確立させました。
- 100 Zulu Warriors
Black Coffee, C Zulu
- Webaba
CuloeDe Song, Busi mhlongo
- Dlalangam – Coke Studio South Africa: Season1
Culoe De Song, Bongeziwe Mabandkla
- No Contest
Culoe De Song
- Insimbi
Deep Narratives, ZVRI, Culoe De Song
Shimzaの特徴は従来のAfro Houseの土着的なリズムに、ヨーロッパの硬質なTechnoの要素をに掛け合わせ、[Afro Tech]をジャンルとして確立し、[Afro Tech]を代表するアーティストです。
彼のトラックは、野外の巨大フェスティバルで何万人もの観客を同時にジャンプさせるような、非常に太く、アグレッシブで、ダイナミックなベースラインが特徴です。
プロデューサーとして優秀なだけでなく、南アフリカで最も技術力が高いDJの一人として知られています。
通常のDJが2台のプレイヤー(CDJ)を使うところ、彼は4台を同時に駆使し、アカペラ、ドラムループ、エフェクトをリアルタイムで重ね合わせ、まるでその場でライブ演奏をしているかのように曲を再構築します。
そのエネルギッシュで視覚的にも派手なプレイスタイルは、YouTubeのDJ配信(Boiler Roomなど)でも世界中の度肝を抜き、一気に彼の知名度を押し上げました。
そんな技術力を駆使し、大会で優勝しまくるテクニック重視のDJという印象だったのに対し、後に強烈なボーカルとキャッチーなメロディを持つアンセムを作れるヒットメーカーであると認知されることになります。
2015年にリリースされたデビュー・フルアルバム『Shumuzic』に収録された「Akulalwa」(ズールー語で「寝るな」という意味)は、その年の南アフリカ全土のクラブやラジオを席巻する超絶的なメガヒットとなりました。
更にヒットメーカーであるDJ Maphorisaと共作し、Moonchild Sanellyを迎えた「Makhe」が、南アフリカを飛び出して世界中のクラブでヘビープレイされるなど多大な評価をされています。
One Man Showという自身の地元であるTembisaという居住区で、孤児のためのチャリティとしてクリスマスに始めたイベント。
これが現在で南アフリカ全土から人が押し寄せる超巨大フェスに成長しており、立ち上げたAfro TechのレコードレーベルおよびイベントブランドであるKUNYE(クニェ)は、ズールー語で「一つに」「一緒に」は、南アフリカの若手プロデューサーの音を世界へ輸出する強力なプラットフォームとして機能しています。
- Akulalwa
Shimza, Dr Malinga
- Makhe
DJ Maphorisa, Shimza, Moonchild Sanelly
- Kunye
Kususa, Shimza
- Fire Fire
Shimza, AR/CO, Kasango
- Places
Elderbrook, Shimza
Black Coffee達が切り開いたAfro Houseというジャンルは、ヨーロッパのクリエイターたちにも多大なインスピレーションを与えました。
Daniel Rateukeはその代表格です。
ドイツ出身でありながらアフリカの土着的なポリリズム(複雑な打楽器の絡み合い)に魅了され、自らのサウンドに深く取り入れました。
彼のような才能あるヨーロッパのプロデューサーが本気でAfro Houseを作り始めたことで、このジャンルは南アフリカのローカル音楽から世界中のDJがこぞって制作・プレイするグローバルな共通ジャンルへとステップアップしました。
彼のサウンドの最大の特徴は、ヨーロッパ特有の冷たくて精密な電子音と、生命力あふれるアフリカの打楽器のコントラストにあります。
ドイツはTechnoの本場です。彼は、ディープでメランコリックなシンセサイザーの音色(メロディック・ハウス/テクノの要素)の土台に、コンガやボンゴといったパーカッションを非常にクリアな音質で配置します。
Culoe De Songのようなスピリチュアルな重さに対し、Daniel Rateukeの音はよりソリッドで立体的、かつヨーロッパの巨大な地下クラブで鳴らすのに特化したクリアな音作りになっています。
彼が日の光を浴びる決定的な要因となったのが、ヨーロッパにおけるAfro Houseの最重要レーベルであるMoBlack Recordsとの結びつきです。
イタリアのDJであるMoBlackが主宰するこのレーベルは、アフリカとヨーロッパの音を繋ぐ世界最大のプラットフォームです。Daniel Rateukeはここから「Mambazo」などの強烈なキラーチューンをリリースし、大ヒットを記録しました。
彼が作った楽曲は、Black Coffeeは勿論、ヨーロッパのトップDJたち(Keinemusikなど)のセットで頻繁にプレイされ、イビザやヨーロッパの野外フェスで欠かせないアンセムとなっています。
- Mambazo
Danial Rateuke
- Gold
Danial Rateuke,
- Namaqua
Danial Rateuke
- Bumcha
Danial Rateuke
- Maroona
Danial Rateuke
FNX Omarは、これまでの南アフリカやヨーロッパのアーティストとはまた異なるアプローチでシーンを広げた、モロッコの伝統音楽とアフロハウスを融合させた第一人者です。
南アフリカ純産の土着的なパーカッションに、北アフリカや中東のエキゾチックなアラブ情緒を持ち込んだことで、アフロハウスの世界地図を大きく広げたプロデューサーです。
これまでの南アフリカ産のアフロハウスがズールー族などのリズムをルーツにしているのに対し、彼は母国モロッコの伝統楽器や、アラビア音階特有のミステリアスな旋律を多用します。
このスタイルはOriental Afro HouseやOrganic Houseとも呼ばれ、砂漠の夜を連想させるような、非常に神秘的で艶やかなサウンドが特徴です。
イビザの夕暮れ時や、砂漠で開催されるようなコンセプチュアルな野外フェスにこれ以上ないほどマッチするため、世界中のDJたちにとってセットリストに欠かせないスパイスとなっています。
Afro Houseの世界的拠点MoBlack Recordsから数多くの名曲をリリースし、一躍世界のトップ層に躍り出ました。
Black Coffeeも彼の楽曲を非常に気に入っており、自身のDJセットで頻繁にプレイすることで、FNX Omarの名前はヨーロッパやアメリカの巨大なダンスフロアに轟くことになりました。
- Fragile
THEMBA, FNX OMAR, Syon
- Kuar – FNX Omar Remix
Emmanuel Jal, FNX OMAR
- Filtered African Blues – FNX Omar Remix
Oscar P, FNX OMAR
- Hey Mama – FNX Omar Remix
Emmanuel Jal, Check B, FNX OMAR
- Premier Gaou – FNX Omar Remix
Francis Mercier, Magic System, FNX OMAR
Sparrow & Barbossaは、これまでのアーティストたちとはさらに毛色が異なり、Afro Houseにラテンの情熱とカリブ海の陽気さを大々的に持ち込んだ、ラテン・アフロハウスの開拓者です。
スイス出身のピアニストであるBryan(Sparrow)と、ウルグアイ出身のパーカッショニストであるEmiliano(Barbossa)によってスペインのマドリードで結成されたデュオであり、彼らの多国籍なバックグラウンドがそのまま音楽性に直結しています。
彼らは、アフリカの土着的なビート上に、南米のサルサやルンバ、スペインのフラメンコといったラテン音楽の陽気でセクシーなグルーヴを融合させました。
この底抜けに明るく、かつ洗練されたダンサブルなスタイルは、南アフリカ純産のディープで重いサウンドとは一線を画し、シーンに全く新しい風を吹き込みました。
彼らの最大の強みは、打ち込み(デジタル音)だけでなく、生の楽器の演奏を極めて重要視している点です。
バルボッサが実際に叩くコンガやボンゴの生々しい打楽器音に、スパロウが弾くジャズピアノ、さらにトランペットやアコースティックギターが重なります。
これにより、クラブミュージックでありながら海辺で生バンドのセッションを聴いているような、温かくて人間味のあるサウンドを生み出しています。
彼らの音楽は、スペインのイビザ島はもちろん、メキシコのトゥルム(Tulum)やギリシャのミコノス島といった、世界中のセレブが集まる高級ビーチリゾートのサンセット(夕暮れ時)に最も映える音楽として絶大な支持を得ています。
彼らもまた、世界最大のアフロハウス・レーベル「MoBlack Records」から楽曲をリリースし、瞬く間にトップスターの座を射止めました。
楽曲としてはMory Kantéの歴史的ヒット曲「Yeke Yeke」を、アフロ・ラテン調にリメイクした「Yeke」が有名だと思いますが、個人的には「Coro」おすすめしたいです。
- Yeke
Sparrow & Barbossa
- Nterini 2.0
Sparrow & Barbossa, Luch, Fatoumata Diawara, Sparrow(CH)
- Champion
Rampa, Sparrow & Barbossa, Keinemusik, Sparrow(CH)
- Dream
Sparrow & Barbossa
- Back Home
Sparrow & Barbossa
ストリーミング
- UNCOMMON
- Future House Music
大体分かる動画
主なレーベル
Black Coffee自身が2005年に立ち上げたレーベルであり現在の世界的なアフロハウス・ブームの源流となったレーベルです。
Culoe De SongやShimza、独創的なパーカッションユニットのBlack Motionなどといった南アフリカの著名なアーティストたちは皆このレーベルからキャリアをスタートさせました。
ずばり本家です。
流行や廃りに流されない、極めてディープでソウルフル、そしてスピリチュアルな100%の南アフリカ・サウンドが担保されています。
そのブレない姿勢が、後の世界的なアフロハウス・ブームの基礎を作りました。
彼らにとって音楽は単にクラブで踊るための商業的なツールではなく、南アフリカのアパルトヘイト後の社会において若者に夢を与え、世界と対等に渡り合うための音楽でした。
その精神性の高さは、レーベルのすべての楽曲の根底に流れています。
主宰者はMoBlack(ミモ・ファルコーネ)はイタリア人のDJ/プロデューサーですが、実はアフリカ(ガーナ)に10年以上住んでいたという経歴を持っています。
イタリアに帰国後の2013年、アフリカの素晴らしい電子音楽を、ヨーロッパ、そして世界に正しく広めたい。という強い使命感からこのレーベルを立ち上げました。イタリア拠点でありながら、魂は完全にアフリカと繋がっているレーベルです。
一般のリスナーにとってのSpotifyのように、世界中のプロDJが現場でかける曲を買う最大のサイトがBeatport(ビートポート)ですが、MoBlack Recordsは、このサイトのアフロハウス部門において、何年にもわたり不動のシェア1位(トップレーベル)に君臨し続けています。
因みにBeatportのレコードレーベルの売上ランキングも1 位にランクインしたりしています。
このレーベルの最大の功績は、南アフリカのストリートやネットの片隅に埋もれていた無名の天才プロデューサーを次々と発掘し、世界に輸出したことです。
Daniel Rateuke、FNX Omar、Sparrow & Barbossaが世界で日の光を浴びたのも、すべてこのMoBlack Recordsから曲をリリースしたからです。
彼らが「MoBlackから曲を出した」というだけで、世界中のDJが信頼してその曲をチェックするほど、レーベル自体が強力なブランド品として機能しています。
ベルリンを拠点とするレーベルで2009年に設立され、ここ数年でアンダーグラウンドの枠を完全に超え、Beatport のアフロハウスの売上ランキングで 1 位にランクインし、メインストリームのポップカルチャーをも飲み込む存在になりました。
不動のアイコンThe Kloudである3人の中核メンバーは &ME(アンド・ミー)、Rampa(ランパ)、Adam Port(アダム・ポート) の3人のプロデューサー/DJです。彼らは長時間のセットをB2B2B(3人で交代しながらプレイするスタイル)で進行し、DJブースの頭上には巨大な雲とピースマークのモニュメントザ・クラウドが浮かぶのが視覚的なシグネチャーとなっています。
ベルリン特有のディープなテクノやハウスをベースにしつつ、アフロ・ハウスのパーカッシブなリズム、インディー系のボーカル、そして非常にメロディアスでエモーショナルな要素を融合させて多幸感あふれるアフロ・メロディック・サウンドに仕上がっています。
無機質ではなく、どこまでも温かくグルーヴィーな質感が彼らの最大の魅力です。
Drakeが2022年にリリースしたハウス路線のアルバム『Honestly, Nevermind』では、&MEとRampaがプロデューサーとして抜擢されました。さらに、Adam Portが2024年にリリースしたアフロビーツ・トラック「Move (feat. Stryv & Malachiii)」はTikTok等を通じて世界中でバイラルヒットし、各国のメインストリームチャートを席巻する特大アンセムとなりました。
アーティスト発信ではなく、純粋な音楽ファン・コミュニティから巨大レーベルへと成長したギリシャのレーベルです。
最初からレコード会社だったわけではなく、Afro Houseの楽曲を厳選してYouTubeで紹介するプロモーションチャンネルとしてスタートしました。
よりメロディアスで、エモーショナルで、一般の音楽ファンでも聴きやすい美しさのあるサウンドをリリースされる傾向にあります。
この絶妙なバランス感覚が、アンダーグラウンドなAfro Houseの間口を世界規模で広げました。
長年発信し続け、その審美眼とアーティストからの信頼を武器に自身のレーベル
Madorasindahouse Recordsを設立しました。現在では、CaiiroやFNX Omarなど、アフリカ・中東のトッププロデューサーたちがこぞってこのレーベルから楽曲をリリースし、一気にシーンの中心へと躍り出ました。
まとめ
Afro Houseは南アフリカ国固有のEDMが世界へ繋がったEDMです。
大きな影響を与えているのでこれにインスパイアされた音楽が続々とリリースされています。
敢えて書かなかった事もありますが、それらを抜きにしてアフリカを代表する固有EDM大国、南アフリカについて少しでも知ってもらえれば幸いです。




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